授業

繰り上がり・繰り下がりの素地になる!「いくつといくつ」を楽しく学べる4つの活動例

新1年生にとって、算数で1番最初に学ぶ10までの数。その単元の中に、10までの数の合成分解をする「いくつといくつ」があります。数の合成分解とは聞き慣れない言葉ですが、例えば5という数字を2と3を合わせた数と見ることを合成5を2と3と分けて見ることを分解と言います。10までの数をスムーズに合成分解できるようになることは、この後で学習する、繰り上がりのある足し算、繰り下がりのある引き算を学習する上で非常に大切です。算数が得意な子から、支援が必要な子まで、全ての児童が楽しめる授業にするためには、どのような指導の工夫が必要なのでしょうか。

今回の記事では、準備もほとんどいらずに、すぐ授業に取り入れられる活動を4つご紹介します。支援が必要な子も楽しく学べる内容になっておりますので、ぜひ読んでみてください。

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目次[表示]

頭の中で10までの数を合成分解できるようにしよう

前述したように、「いくつといくつ」の単元は、1年生の算数最大の山場である「繰り上がりのある足し算」「繰り下がりのある引き算」を学習するにあたってとても重要です。
例えば、8+5=13の計算をするときは、頭の中で以下のように数字を操作します。

①8はあといくつで10になる?→2
②5を2と3に分けよう。
③8+2+3=13

このように頭の中で数を分解したり、10の補数(あといくつで10になるか)がぱっと思い浮かんだりしないと、スムーズに計算ができません。そのため、10までの数の合成分解を繰り返し学習して、きちんと定着させることは、非常に重要と言えます。

しかし、一年生においては個々の能力や生活経験などに大きく差があるため、この単元が簡単すぎると感じてしまう子から、何度も繰り返して学習することが必要な子まで、様々です。そこで、今回は、すでに数の合成分解が身に付いている子も、まだまだ身に付いていない子も一緒に繰り返し楽しんで取り組める活動を4つご紹介します。

楽しく繰り返し学べる活動4つ

①ごまだんご ごままんじゅうの歌

この歌は、知ってる先生方も多いのではないでしょうか?5の合成分解、10の合成分解について、歌と手遊びをしながら学びます。授業の導入や、少し飽きてしまったときにぴったりの活動です。

ごまだんご ごまだんご 1と4で ごまだんご♪
ごまだんご ごまだんご 2と3で ごまだんご♪
ごまだんご ごまだんご 3と2で ごまだんご♪
ごまだんご ごまだんご 4と1で ごまだんご♪
ごまだんご ごまだんご 5と0で ごまだんご♪

というふうに、歌っていきます。
「ごまだんご」のところでは手を叩き、👏「1と4で」ではそれぞれの数字を指で表します。最後の「ごまだんご」では、手のひらでコロコロとお団子を丸めるような動きをしてから数字の5をビシッと手で表します✋
ごままんじゅうの歌は、10の合成分解を行います。歌詞をごままんじゅうに変えるだけです。大きな声で楽しく歌うことで、楽しい授業になります。以下に、実際にやってみた動画を貼っておきます。

②数当てゲーム

ブロックやおはじきなどを使って行います。例えば、6個のおはじきを見せた後、左右の手におはじきを分けて握り、

きりん先生
きりん先生

(右手にあるおはじき2個を見せながら)左手には、何個のおはじきがあるでしょう?

うーん……4個かな?

くまくん
くまくん
きりん先生
きりん先生

大正解です!

最初は先生がやって見せ、慣れてきたら子ども達同士ペアで問題を出し合います。

③7マスすごろく

この活動は、「7はいくつといくつの時にしか使えませんが、子供達が夢中で取り組むこと間違いなし!とても盛り上がる活動ですので、おすすめです!以下のダウンロードボタンより印刷できます。ぜひ授業でお使いください。

Screenshot

2回サイコロを振り、ぴったり7のマスにたどり着けるか……というすごろくゲームです。
例えば1回目にサイコロを振って3の目が出たら、次は4の目が出てほしい!というふうに、「いくつといくつで7になる」が、自然に身に付く活動です。駒は消しゴムを使っていただけば良いと思います。

④じゃんけんでいくつといくつ

じゃんけんポン!で、指で数字を出し合い、お互いの出した数を合わせます。先生が事前に、目指す数を提示します。例えば目指す数字が8だとしたら、二人が出した数字の和が8になれば成功です。教室内を自由に歩き回ってじゃんけんをし合い、成功したら座るなどのルールを決めると盛り上がります。
目指す数が8であれば、出していい数字は1から7というように、出せる数字を確認しておきましょう。

児童が楽しく取り組める活動で、定着を図ろう

いかがでしたでしょうか。今回ご紹介した活動は、どれも準備が少なく、授業の隙間の時間に取り組める活動だったと思います。この単元は小学校に入ってすぐに取り組む単元ですので、新一年生が「算数って面白い!」と感じられるような授業を行うことで、算数への関心・意欲を育てることができます。

低学年の算数では、このように児童が楽しく取り組める活動を通して、数の操作を繰り返し行うことが大切です。最初は指を使って計算している子もいると思いますが、楽しく主体的に取り組むうちに、頭の中で数をイメージして計算ができるようになります。算数が得意な子も苦手な子も、皆が楽しめる授業作りができると良いですね。

  • この記事を書いた人
管理人ちぃ

chii

当サイトの管理人。通常学級、通級指導教室、特別支援学級の担任を計11年間した経験を生かして『はったつルーム』での情報発信や教材作成をしています。 趣味はピアノ、アクセサリー作り(ハンドメイド作家としても活動中)。 3才の息子、1才の娘と台所育児や工作を中心とした、《遊びの中で学ぶ子育て》に挑戦中。

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